始まりのとき

「まもなく飛行機が離陸いたします…」

飛行機が離陸するとき、ドキドキとした高揚感と不安が入り交じる。
何か始まりを感じさせるような、そんな気持ちを抱きながらわたしたちは昨日から9日間のスタディーツアーでフィリピンに訪れている。

今回のスタディーツアーではPCの中村菫がSFCで作成した社会起業家精神のコツやノウハウを集めた「Change Making Patterns Workbook」を用いてフィリピンで活躍する日本人社会起業家のお二人と共に行動する。

1人目はワクワーク・イングリッシュ代表の山田貴子さんだ。
山田さんはオンライン英会話事業を通じて、ビジネスを通じて貧困層の学生と共に夢と自立の実現を目指している。現在ではオンライン英会話事業にとどまらず、フィリピンの人々が援助ではなくプロフェッショナルに誇りを持てる仕事を持つ為にカフェや美容院など現地で100の事業プロジェクトを行っている。

2人目はユニカセコーポレーションジェネラルマネージャーの中村八千代さんだ。
中村さんがマネージャーを勤めるユニカセコーポレーションは路上生活や人身売買など様々な危険にさらわれた子どもたちの数を減らすために青少年に雇用の機会の創出を目的に設立された社会的企業である。ユニカセで働くスタッフはNGOの支援を受けた青少年たちから成り立っている。

わたしたちは実際に社会起業家のお二人の活動を見ながら自分の好奇心に素直になり、社会をよくする姿勢を直に学ぶ。山田さんとは貧困地域や孤児院訪問、現在建設中のセンターの設立のお手伝いをしながら現地の人々とのコミュニケーションを通して現地の人々が求めるニーズを探り、そのニーズに答えたものを共に作り上げる予定だ。中村さんとは現地の少年たちとフィリピンの問題点を学びながら改善策を考えるワークショップを行う。

また「Change Making Patterns Workbook」を活用しながら日々の活動の中で一人一人のメンバーが理解を深め自分自身を振り返り自己の成長へとつなげるためのスタツアを目指している。

私たち日本の大学生と2人の社会起業家達と、そしてフィリピンの方々と。

やること盛りだくさんな内容できっとこの9日間は濃い9日間になるだろう。
怒濤の毎日で疲れるかもしれない。でもそれ以上に楽しみだ。
9日後、自分もメンバーも一体どうなっているだろう。
そんな期待感を抱きながら、私たちのスタディーツアーが始まった。

2014.02.18

【文責 田村優衣】