ふれる空間

こんにちは!
ナマステ!

私たちは、2週間にわたる、インド・バングラデシュをめぐる旅をはじめた。
まず、無事に全員が旅を過ごすことができるように万全をつくそうと思う。

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●インド

デリー、プシュカル、ジャイプル、バラナシ、コルカタ、という5都市を車、鉄道、飛行機を駆使してまわる予定だ。
貧富の差が大きく、多民族、多言語国家で……

と日本で得られる情報は、本から、人からと、情報はたくさん手に入る。
そこから、いろいろな思いを心に持ち、考え、旅に出る。

しかし、実際に旅に出てみるとなかなかイメージとは違うものだ。
また、旅の環境、めぐる場所によっても、見えるものは様々である。

人とふれる、空気にふれる、まちにふれる、食べ物にふれる……
できる限りたくさんのものを感じてきたい。

●バングラデシュ

今回のスタツアは、To2Bagプロジェクト(HP http://to2bag.com/)のメンバーを中心に参加している。今回は日本で売られている様子や、To2Bagを買った人の反応を、作っている工場にフィードバックすることをメインに行う予定だ。また、工場の現状把握も行う。

私にとっては、工場にはじめてなのでとても楽しみにしている。

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わたしは、今、とても貴重な時間を過ごしている。

2週間も海外を旅するとなると、この間、他の物事とは遮断される。
時にはわずらわしいと感じる日常が、この時ばかりは消え失せる。

普段、気にも止めないところにも目が付き、
気にも止めないところに考えるようになる。

私はこの環境に感謝したい。

2013.3.10

【文責 マネジメント局 1年 宇治橋広将】

答え

二度目のバングラデシュに来た。

去年の夏、バングラデシュに来てTo2Bagプロジェクト(詳しくはこちらへhttp://to2bag.com/)を立ち上げて半年。

バッグを作ってくださっている工場を再訪して
お客さんがバッグを持っている写真を集めたポスターをフィードバックとして渡したり、
ラーマンさんと今後のことについてお話したり、
工場のひとのニーズなどをリサーチしたりした。

わたしは、工場の社長さんであるラーマンさんに、
働いている人はいま何を必要としているのか、尋ねた。
彼の答えは、とてもシンプルだった。

「仕事です。お金がなくては、彼女たちは生活できません。」

何が幸せなのか、という質問には、こう答えてくれた。

「イスラム教では、食べるもの、着るもの、安心して寝れることころがあって
毎日を生活することができていれば、神に感謝します。それが幸せです。」

たしかにそうかもしれない。

なのに、なぜかわたしはそれ以外の答えがほしかった。
会社やお店を運営しているわけでもない私たちは、
悔しいことに次々に仕事をお願いできる身分でもない。
だから、お金がすべてだと思いたくなかった。

しがない学生がたった1000個のトートバッグを作って売ったことは、
はたして本当に意味があることだったのだろうか。
彼女たちの本当の幸せを叶えてあげられているのだろうか。
いわゆる自己満の「国際協力」になっていないだろうか。

答えを探しに来たはずのバングラデシュで、
わたしはもっと、わからなくなってしまった。

けれど、
学校で遊ぶ子どもたちの笑顔、
ポスターを渡したときの工場のみんなの笑顔、
プリント工場で楽しそうに働く人たちの笑顔、
「またバングラデシュ来てくれてありがとございます」
と言ってくださったラーマンさんの笑顔、
そして日本でバッグを買ってくださったお客さんたちの笑顔
・・・

このプロジェクトをしていなかったら絶対に出会えなかった、
たくさんの笑顔。

これが、答えなのかもしれない。

誰かを幸せにすることは、そんなに簡単ではなくて。

結局、どんなことにも
正解、不正解なんてない。

なにもしないことが
わたしにとって唯一の不正解だった。

帰国したら、バングラデシュで出会った笑顔を
ほくほくのうちに日本のお客さんに届けよう。

2013.3.26

【文責:広報局3年 若尾真実】