答え

二度目のバングラデシュに来た。

去年の夏、バングラデシュに来てTo2Bagプロジェクト(詳しくはこちらへhttp://to2bag.com/)を立ち上げて半年。

バッグを作ってくださっている工場を再訪して
お客さんがバッグを持っている写真を集めたポスターをフィードバックとして渡したり、
ラーマンさんと今後のことについてお話したり、
工場のひとのニーズなどをリサーチしたりした。

わたしは、工場の社長さんであるラーマンさんに、
働いている人はいま何を必要としているのか、尋ねた。
彼の答えは、とてもシンプルだった。

「仕事です。お金がなくては、彼女たちは生活できません。」

何が幸せなのか、という質問には、こう答えてくれた。

「イスラム教では、食べるもの、着るもの、安心して寝れることころがあって
毎日を生活することができていれば、神に感謝します。それが幸せです。」

たしかにそうかもしれない。

なのに、なぜかわたしはそれ以外の答えがほしかった。
会社やお店を運営しているわけでもない私たちは、
悔しいことに次々に仕事をお願いできる身分でもない。
だから、お金がすべてだと思いたくなかった。

しがない学生がたった1000個のトートバッグを作って売ったことは、
はたして本当に意味があることだったのだろうか。
彼女たちの本当の幸せを叶えてあげられているのだろうか。
いわゆる自己満の「国際協力」になっていないだろうか。

答えを探しに来たはずのバングラデシュで、
わたしはもっと、わからなくなってしまった。

けれど、
学校で遊ぶ子どもたちの笑顔、
ポスターを渡したときの工場のみんなの笑顔、
プリント工場で楽しそうに働く人たちの笑顔、
「またバングラデシュ来てくれてありがとございます」
と言ってくださったラーマンさんの笑顔、
そして日本でバッグを買ってくださったお客さんたちの笑顔
・・・

このプロジェクトをしていなかったら絶対に出会えなかった、
たくさんの笑顔。

これが、答えなのかもしれない。

誰かを幸せにすることは、そんなに簡単ではなくて。

結局、どんなことにも
正解、不正解なんてない。

なにもしないことが
わたしにとって唯一の不正解だった。

帰国したら、バングラデシュで出会った笑顔を
ほくほくのうちに日本のお客さんに届けよう。

2013.3.26

【文責:広報局3年 若尾真実】

旅のはじまり。

トランジットのタイで、ダッカ行きの飛行機を朝から延々と待っている。

タイの空港はきれいな免税店が並び、広いフロアに冷房がよく効いている。いや効きすぎている。寒い。

ここだけ見ていると発展途上国だとはとても感じられない。

***

国際協力に関わっているとよく目にする「支援」「途上国」という言葉に、私は違和感を抱いていた。

本当にその土地の人のためになっている「支援」なのか、「途上国」とはなにを目指している「途上」なのか。
その土地の人々を支えると言っておきながら、なんだか上から目線の言葉がどこか引っかかるのだ。

そんな中、私が出会ったのが
「ソーシャルビジネス」
だった。

ソーシャルビジネスと一言でいっても、様々な形がある。
基本的には、ビジネスという双方向的なやりとりの中で、何かに困っている当事者の助けになることができ、
ビジネスが起動に乗れば、彼らは独立する力を持つことができる。

この仕掛けは、私の考えていた一方的な「支援」とは違う…
先進国の後を追うだけのような道の「途上」ではなく、新しい道を進む手がかりかもしれない…

引っ掛かりが解けるような気がした。

そんなソーシャルビジネスが発展していることで今注目を集めている、 バングラデシュ に行ってみようと思った。

これがこのスタディーツアーを立ち上げたきっかけだった。

***

今回、バングラデシュスタディーツアーでは、ソーシャルビジネスの発端であるグラミン銀行、そのマイクロファイナンス(貧困層にも借りやすい小口融資)を実施している村、伝統的な農法でビジネスをしている農村、フェアトレードの縫製工場などを見学することになっている。

様々なソーシャルビジネスの形を見て学ぶことで、新しい可能性や、いい面だけでなく悪い面にも気づけたらいいと思う。

そしてそのアウトプットとして、商品企画のプロジェクトを進めてきた。

プロダクトの生産者も購入者もみんなハッピーになれる、そんなバッグを作りたい。手軽に買えるようなものにすることで学生に、商品を通してソーシャルビジネスの考え方を広めたい。

バングラデシュで、私たちはどんなソーシャルビジネスの顔を見られるだろうか。

とても楽しみだ。

2012.09.03

【文責 若尾 真実】