ヨルダンスタツアを終えて7

「ヨルダンにいるシリア難民の家」なんて、中東に初めて訪れた私にはもちろん想像できなかった。

 

ヨルダンに到着してから一週間ほどがすぎたころ、わたしはシリア難民の家庭にホームステイさせて頂くことになった。検討のつかない3泊4日に少し緊張している私を乗せた車は、アンマン市内の丘の頂上にあるアパートの前で止まった。案内に従ってアパートの一部屋に向かい、ノックをすると、ヒジャブを被って全身を隠している女性が扉をひらいた。私が「アッサラームアライクム」と挨拶すると、彼女は優しそうな笑顔で挨拶を返してきた。

 

家の間取りは2LDKで予想していたよりも広く、どの部屋にも窓があった。丘の頂上にあるその家の窓からはアンマンの街が一望できて、わたしはその家が気に入った。

その家にはお父さんとお母さんとムハンマドという17歳の一人息子が住んでいた。陽気で明るいお父さん、料理上手で温かいお母さん、シャイで優しいムハンマド。わたしはすぐに三人のことが大好きになった。

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(明け方、家の前からの景色。丘の頂上なので街が一望できる。)

 

 

 

私たちのステイの間に、イードというイスラム教のお正月のような儀礼祭が行われる日があった。羊の肉をメインにご馳走を作って食べるのが風習な日で、わたしはお父さんの料理を手伝っていた。野菜や羊の肉を切りながらおしゃべりしていると、彼はわたしに「私たちには一人息子しかいなかったけれど、いま、日本人の娘ができたように思っているよ」「君は私たちの娘だよ」と言ってにっこりと笑った。

 

 

ホームステイを終えてから、メディアの中の言葉でしかなかった「シリア難民」というフレーズを聞くと、彼らの顔が真っ先に浮かぶようになった。シリアに残っている親戚と電話をしながら泣いていた彼らの顔を思い出しては、私の「家族」である彼らが苦しい思いをせず、悲しい気持ちにならずに心から笑って過ごせる日が来てほしいと、祈るような気持ちになる。日本にいる私が彼らのためにできることを探したいと思った。

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(イードの夜のごちそう。全てお父さんとお母さんの手作りでとてもおいしい)

 

【文責:7期 壹岐惟子】

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